これまではコンパクトシティなど、未来に向けてのまちづくりについて書かせていただいてきたのですが、人や会社も変わってきていると思うんです。
2024年問題ってご存知ですか?
働き方改革法の改正に伴い、2024年4月からドライバーの残業時間の上限が960時間に制限されることによって生じる諸々の問題。
具体的な問題とは
・運送、物流会社の売上、利益の減少
・ドライバーの収入減少
・運賃の上昇
ということのようです。
最近ニュースで取り上げられていて、「そうなんだあ」と思っていたくらいなのですが
私のクライアントの社長からこの件について言われたのが今回のタイトルのことば
「なんのために会社やっているんだかわからない」
だったんですよ。
規模は小さい会社ですが、社長は前向きに採用活動に取り組んでいらっしゃいました。
ドライバーという職種はいろんな人が応募に来る・・・と悩みながらも前向きに職場環境を整えていらっしゃったのですが、この2024年問題に直面し、なんともやりきれない気持ちになってしまわれたそう。
給与の設定を上げないといけない、そうでなくても人は募集したって来ない。
やっと応募が来たと言っても社長の思う「よい人材」ではなく、
お客様へのサービスに影響することを考えると安易に採用できない。
それが20代の若者ならかわいいものだと思えるが50歳過ぎている。
それでもこんな時代だし、小さい会社に応募してくれたからと一生懸命かかわっても
仕事はテキトー。でも手当や待遇については細かいことを言ってくる。
いやー大変ですよねえ。心中お察しします。
ちなみにその会社の仕事は物流ではありますが、Amazon系ではなく、今後荷量が増えることは考えにくい仕事。
このままでは業績が上がることは見込めませんし、でも人件費はかさむ。
そして採用しようにも人は来ないから求人費はかさむ。
せっかく採用してもやる気がない・・・。
確かに「なにやってるんだか分からない」という気持ちになるのも分かる・・・けど。
じゃあ、なんのために会社やってんの?
って思っちゃうんですよ。
家業だからって言われても、それは社長の状況であって
働く側にとっては関係ないですよね。
昨日今日知った、ハロワでたまたま見つけて近所だったから応募した会社の社長の家業のために骨身を削って働けって言われて働けますかねえ・・・私は無理です。
そう思わせられる経営者だったらもっと事業拡大していると思う。
世の中のこんな課題を解決したい、こんな人たちをサポートしたい
そういう事業であれば会社の存在意義もあります。
マーケットが縮小するのに存在意義もない会社でも継続できるような時代なんだっけ?と思う。
いやいや、意義ややりがいなんてと思うかもしれませんが、
いくら労働の対価が得られるといっても、
会社のルールに従って毎日過ごすのって大変だと思うんですよ。
疲れるなあ、と思っても自分の仕事ですごく喜んでくれる人がいたり、
確実にみんなの生活に役立ってるんだなあって思えていたら、
頑張れるときもあると思うんですよね。
少なくとも、そんなに親しくもない社長と社長の家族が贅沢するためだけと思うより、
よっぽど頑張る理由になりません?
「社長、この会社の存在意義ってなんです?」って聞いてみてください。
意外にすらっと答えられない方、多いですよ?
法律が変わる、人の価値観が変わる、世の中のニーズが変わる
そうすれば自然と存在意義も変わってくるもの。
もう一回、事業の価値を考えてみることが大切なんじゃないかなあっと思います。